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2025年にヴィオラ・ダ・ガンバを趣味で始めるためのガイド
2025.03.16
趣味で楽器を始めようと思うとき、多くの人が「ピアノ」「ギター」「ヴァイオリン」といった定番の選択肢を思い浮かべるでしょう。しかし、ここであえて「ヴィオラ・ダ・ガンバ(Viola da Gamba)」という言葉が脳裏をよぎるあなたは、相当なマニア、あるいは相当な好奇心の持ち主です。
まずは基本的な誤解を解いておきましょう。
◆「ヴィオラだ!ガンバレ!」ではありません
「がんばるヴィオラ」ではなく、イタリア語で「脚(ガンバ)の間に挟んで弾くヴィオラ」という意味です。要するに、現代のチェロのように足の間に置いて弾く弦楽器。よって「ヴィオラ」という名前ですが、現代のヴィオラとは全く別物。ヴィオラにエールを送る楽器ではなく、むしろ独自の美学を持つ中世・ルネサンス・バロックの貴族的楽器なのです。
◆現代のオーケストラにはいません
ヴィオラ・ダ・ガンバは、かつてヨーロッパ宮廷で愛された楽器ですが、バロック時代後半には徐々に姿を消し、モダン・オーケストラではほぼ使われません。しかし、古楽アンサンブルやバロック音楽愛好家の間では、今もなお静かにその音色を響かせています。
では、2025年の今、この優雅な古楽器を趣味で習うにはどうすればよいのでしょうか?
① ヴィオラ・ダ・ガンバを入手せよ!
まず、楽器がなければ始まりません。しかし、ヴィオラ・ダ・ガンバはヴァイオリンやギターほど楽器店で気軽に買えるものではないので、以下の方法を考えましょう。
・専門店や工房で購入・レンタル
ヴィオラ・ダ・ガンバを扱う楽器工房は少ないですが、日本や海外には専門店が存在します。日本ではバロック楽器専門の工房や、ヨーロッパの職人から輸入するルートがあります。
レンタルできるところもあるので、まずは試奏してから決めるのがオススメ。
・中古市場やオークションをチェック
意外とネットオークションや古楽器専門の中古市場に出回ることがあります。中古でも状態の良いものを選ぶようにしましょう。
・コントラバス奏者はラッキー!?
実は、ヴィオラ・ダ・ガンバはコントラバスと調弦のシステムが似ており、フレッテッド(フレット付き)なので、コントラバス経験者は馴染みやすいです。吹奏楽でコントラバスを弾いていた、低音域を愛するあなたにピッタリ!
② 先生を見つけよう!
ヴィオラ・ダ・ガンバはモダン楽器とは違い、教えてくれる人が限られています。以下の方法で師匠を探しましょう。
古楽専門の音楽教室を探す
大都市では古楽専門の音楽教室があり、ヴィオラ・ダ・ガンバを教えてくれる先生が見つかることがあります。
オンラインレッスンを活用する
今やオンラインレッスンも充実しており、国内外のガンバ奏者がSkypeやZoomで教えてくれる時代です。特にフランスやイギリスではガンバ文化が根強く、海外の先生から直接学ぶのもアリ。
バロック音楽愛好家のコミュニティに参加
日本にも古楽アンサンブルのサークルや、ヴィオラ・ダ・ガンバ愛好会があり、そこから学べる可能性もあります。
③ どんな曲を弾けるのか?
ヴィオラ・ダ・ガンバを始めたら、どんな音楽を演奏できるのでしょうか?
・バッハ《無伴奏チェロ組曲》はアリ?
「バッハのチェロ組曲、ガンバで弾いてもいいの?」という疑問を持つ人がいますが、実は可能です。ただし、ガンバ特有の表現を生かした弾き方が求められます。
・ガンバの王様、マラン・マレ
フランス・バロックのガンバ音楽の巨匠で、映画『トゥー・ルー・ブルー』でも有名。彼の作品はガンバの魅力を存分に楽しめます。
・コンソート音楽で仲間と合奏
ルネサンス時代の「ヴィオラ・ダ・ガンバ・コンソート(合奏)」では、大小さまざまなガンバがアンサンブルを組み、まるで中世の宮廷音楽のような響きを楽しめます。
④ 続けるコツは「楽しむこと」
ヴィオラ・ダ・ガンバは、一般的な楽器と比べるとレッスン環境や情報が限られています。しかし、それが逆に「マニアックな楽しみ」でもあります。
・ガンバ仲間を見つける
コミュニティに参加すると、ガンバ好きの人々とつながることができ、情報交換ができます。
・カジュアルに取り入れる
例えば、バロック音楽だけでなく、現代曲やポップスのカバーを試してみるのも一興。実際にジャズやワールドミュージックに取り入れている演奏家もいます。
・優雅に、しかしユルく
ヴィオラ・ダ・ガンバは見た目が優雅ですが、演奏自体は意外と自由度が高く、即興的な要素もあります。気負わず、気楽に続けるのが長く楽しむコツです。
まとめ
ヴィオラ・ダ・ガンバを趣味で始めるには、少しマニアックな知識と行動力が必要ですが、その分、「自分だけの特別な楽器」として愛着が湧くこと間違いなし。
2025年、あなたもぜひ「ヴィオラ・ダ・ガンバの世界」へ足を踏み入れてみませんか?
さあ、「ヴィオラだ!ガンバレ!」とは言いませんが、楽しくがんばっていきましょう!

