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ブログ・コラム

ビオラ製作の旅:一から始める音の魔法

2024.04.05

皆様、こんにちは。


近年、モノより体験の価値が重視される世の中になっております。
楽器においても、
ただ「買う」だけでなく、「自分の手で作る体験」といったニーズが浮上しています。
そのため、各地の楽器工房では、制作体験のコースを販売するようになりました。

今回は、体験ではなくプロによるビオラの製作過程について、解説していきたいと思います。
工房の職人の手によって、単なる木材がいかにして感動を呼ぶ楽器へと変わるのかを見ていきましょう。




  1. 材料の選定


    ビオラ製作の最初のステップは、適切な材料の選定から始まります。
    その辺にある流木で楽器を作っても、良い音は鳴りません。
    主に、表面板にはスプルース(松)、背面板と側面板(リブ)にはメイプル(楓)が用いられます。
    これらの木材は、音響特性が優れているだけでなく、加工しやすさも重要な選定基準です。




  2. 木材の成形


    選定された木材は、ビオラの各部分の形に削られ、成形されます。
    この過程では、表面板には音をよく響かせるためのF字孔(フォルテの形をした穴)が開けられ、
    内部の空洞が形成されます。これにより、ビオラが音を響かせる基本的な構造が完成します。




  3. 組み立て


    成形された各部分を組み立てていくことで、ビオラの形が徐々に現れてきます。接着剤を使って慎重に組み立てられ、強度と耐久性を確保します。
    この段階で、ビオラの魂とも言える魂柱(こんちゅう)が内部に設置されます。
    ちなみに魂柱は接着しません。
    また、魂柱はメンテナンスの過程で新しいものと交換することもあります。




  4. 仕上げ


    組み立てられたビオラには、研磨が施され、最終的な美しさと手触りを向上させます。
    その後、保護と美観を兼ね備えたニスが丁寧に塗られます。
    ニスの種類や塗り方は、見た目だけでなく音色にも影響を与えるため、非常に重要な工程です。




  5. 弦の取り付けと調整


    最後に、弦が取り付けられ、ペグやテールピース、あご当てなどの部品が取り付けられます。
    製作者は弦の張力を調整し、ビオラの音が最高の状態になるよう微調整を行います。
    この段階で、ビオラは初めてその声を世に響かせる準備が整います。




ビオラ製作は、高い技術と繊細な感性が求められる芸術的な過程です。
1台1台のビオラ職が人の情熱と技によって命を吹き込まれます。
手にしたビオラと共に、
楽しいひとときをお過ごしください。






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