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音楽大学を出ても食えない?じゃあ文学部出身者は全員作家か?
2025.03.10
「音楽大学を出ても食えない」——これは音大生なら一度は耳にする言葉だろう。まるで「音大に行く=将来の貧困が確定」みたいな言われ方だ。しかし、ここで問いたい。文学部を出た人は全員作家になっているのか?
そんなことはない。むしろ、文学部を卒業したほとんどの人が、作家とは無関係な職業についている。ではなぜ、音大だけが「卒業後の職に困る学部」の代表格として扱われるのか?その不公平なイメージを、徹底的に考えてみよう。
◆「文学部=作家」なんて誰が決めた?
文学部に進学する理由は様々だ。純粋に文学が好きな人もいれば、漠然と「文系の学問を学びたい」という人もいる。そして、彼らの進路は、編集者、教師、公務員、一般企業の営業職、人事、マーケティングなど多岐にわたる。
だが、これを考えればわかる。文学部を出たからといって、全員が文学の道で生計を立てているわけではないのだ。 むしろ、文学部卒で「純粋な文学者」として生きていける人の割合は、音大卒が「純粋な音楽家」として食べていける割合と大差ないはずである。
もし「音大卒は食えない」と批判するなら、同じ理屈で「文学部卒は作家になれないから無意味」と言わなければならない。しかし、そんな主張をする人はほとんどいない。これは音楽に対する世間の偏見である。
◆「食えない」ではなく「どう生かすか」の問題
次に、「音楽大学を出ても食えない」という主張の根本を考えてみよう。この言葉は、暗に「音大卒の進路が狭い」という前提を含んでいる。しかし、それは本当だろうか?
例えば、文学部卒業生は、銀行に勤めることもあれば、広告業界に進むこともある。要するに「文学そのものでは食べていない」人が大半である。では音大卒はどうか?
音楽大学を出た人が、演奏家だけでなく、音楽教師、作編曲家、音楽イベントの企画者、楽器メーカーの営業、音響エンジニア、音楽療法士、さらには一般企業の社員として活躍することもある。
つまり、「音大卒だから音楽家にならなければならない」と考えるのは、文学部卒が全員作家になるべきというのと同じくらいナンセンスな話なのだ。むしろ、音楽大学で培ったスキル(表現力、創造力、コミュニケーション能力)は、あらゆる職業に応用可能である。
◆ 「音大卒は食えない」と言う人の視野の狭さ
「音大卒は食えない」と主張する人に聞きたい。あなたは音楽の仕事がどれほど多岐にわたるかを知っているのか?
そもそも、音楽に限らず、芸術系・人文学系の学問は、卒業後の道が無限に広がっている。文学部、哲学科、歴史学科、美術学部……どの学問も「直結する職業」が限られる点では共通している。だが、それを理由に「食えない」と切り捨てるのは、あまりにも短絡的すぎる。
むしろ、音楽大学の方が「音楽教育」「演奏」「音楽産業」「舞台芸術」など、明確な職業につながる可能性が高いのではないか?
◆ 音楽大学は未来を開く場である
音楽大学を卒業した後、どう生きるかは本人次第である。しかし、これはどの学部を出たとしても同じことである。
文学部の学生が全員作家になるわけではなく、経済学部を出ても全員が経済学者になるわけではない。それと同じように、音大卒が全員演奏家になる必要などないのだ。
音楽大学で得た知識や経験をどう活かすか、それはその人次第。むしろ、「音楽を学ぶことが無意味であるかのような風潮」こそが、社会の豊かさを損なう発想ではないだろうか。
だからこそ、声を大にして言おう。
音楽大学バンザイ!!!

