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マンネリの極み?スタイルを変えなかった作曲家たち
2025.02.23
音楽史において、多くの作曲家はキャリアを通じて作風を変化させ、時代の流れや個人的な成長に応じて進化していきました。しかし、中にはほぼ生涯にわたってスタイルを変えず、「マンネリの極み」ともいえる作曲を続けた人物も存在します。彼らは時代の流れに逆らい、自身のスタイルを貫いたのか、それとも単に変化を嫌っただけなのか?本記事では、そうした作曲家たちを取り上げ、その音楽的特徴や評価について深掘りしていきます。
作品の大量生産・ビジネス作曲家もあり!?
◆ 1. アントニオ・ヴィヴァルディ(Antonio Vivaldi, 1678-1741)
特徴: ほぼすべての協奏曲が同じパターン(急-緩-急の三楽章構成)で作られ、和声進行やリズムパターンが似通っている。
マンネリの象徴: 「四季」が代表作として知られるが、実際には500曲以上の協奏曲がほぼ同じ形式で書かれている。
評価: バロック音楽の黄金時代を築いた一方で、「またこの進行か」と現代のリスナーには単調に感じられることも。
◆ 2. ジョヴァンニ・パイジエッロ(Giovanni Paisiello, 1740-1816)
特徴: 古典派のオペラ・ブッファ(喜劇的オペラ)の名手だが、作品の構造や旋律のスタイルはほぼ変わらない。
マンネリの象徴: 「セビリアの理髪師」は大ヒットしたが、他の作品も似たような旋律や展開が目立つ。
評価: 時代の変化とともにロッシーニに取って代わられ、やがて影が薄くなった。
◆ 3. ヨハン・シュトラウス2世(Johann Strauss II, 1825-1899)
特徴: ワルツ王として知られ、多数のワルツやポルカを作曲したが、その作風はほぼ変化しなかった。
マンネリの象徴: 「美しき青きドナウ」以降、似たようなワルツを大量に生産。
評価: 一定の人気はあったが、革新性には欠け、時代の変遷とともに評価が分かれる。
◆ 4. フィリップ・グラス(Philip Glass, 1937-)
特徴: ミニマル・ミュージックの旗手であり、同じフレーズを延々と繰り返す作風。
マンネリの象徴: 初期の作品から晩年に至るまで、音楽の基本構造はほぼ変わらない。
評価: 「グラスの音楽はグラスの音楽」として根強いファンを持つが、一部の聴衆からは「単調すぎる」との批判も。
まとめ
音楽において「変化しない」ことは必ずしも悪いわけではありません。ヴィヴァルディやシュトラウスのように、一つのスタイルを極めたことで大成功を収めた例もあれば、パイジエッロのように時代に取り残されてしまった例もあります。また、フィリップ・グラスのように独自の世界観を維持し続けることでカルト的な人気を誇る作曲家もいます。
音楽の本質は「革新」だけではなく、「確立されたスタイルの美しさ」にもあるのかもしれません。あなたは、マンネリを極めた作曲家たちの作品をどう思いますか?
