ブログ

「弾きたい曲を弾きたい」生徒さんについて
 

大人むけ楽器レッスンでは「OOを弾きたい!」という生徒さんの声に答えて、生徒さんが希望する楽曲を演奏するケースがあります。
中には、初心者には無謀な曲を希望する生徒さんもいます。
今回は、このような生徒さんに対してどのようなレッスンを提供するべきか、考察していきます。

◆1. 部分的に弾けるようにする

弾きたい楽曲の一番印象的な箇所(フレーズ)を演奏できるようレッスンを行います。
ただしこの場合は、身体的な訓練が不要な範囲でできる演奏に限定されます。
例えば、ピアノでいうオクターブの連続は、手の大きい人ならば根性で可能になるケースもあるのです。

このやり方は、過去に他の楽器をやっていた人の場合は成功する確率は高まります。
しかし、身体的に訓練が必要とされる場合、原曲より簡単に直したフレーズを演奏するのが無難かと思います。


◆2. カンタンな譜面を使う

「初心者でも弾ける有名曲」といったタイトルの、有名曲のアレンジ譜を提案する先生は多いです。
しかし、初心者向けに書かれた楽譜の多くが、初心者には演奏することが難しいです。
指導者の手でさらにカンタンな楽譜に直すか、じっくり丁寧に一つ一つ練習して覚えていくかの選択に迫られます。


◆3. 気合で演奏に挑む!

以前、全くピアノ経験のない九州の海苔漁師の方が、難曲「ラ・カンパネラ」を弾きこなし有名になりました。
彼のように、原曲に体当たりで挑む方もいます。
原曲がカンタンであれば可能ですが、そうでない場合は大学受験や高難度の資格試験に匹敵するくらいの努力が必要になります。
個人教室の場合は自由ですが、中規模以上の音楽教室の場合は、別の曲か簡単にした楽譜を提案するのがトラブル回避になるでしょう。


◆4. 他の曲を提案する

「この曲が弾けるようになるのは、楽器を始めておおよそO年目です。それに向けて一緒に頑張っていきましょう!」
といったように、前向きな言葉で生徒さんを別の曲の練習に向かわせる先生は多いです。
これが、現在の大人向けレッスンの正攻法といえる対応かと思います。


◆5. 引き受けない・・・

面倒な生徒さんであるため、お引き受けしない旨を伝える先生(個人指導)もいます。
ただ、このご時世でそのような対応を行う先生は、かなり少数派でしょう。


まとめ

生徒さんの夢をかなえること。
これは、サービス業としての講師の仕事であると言えるでしょう。

先生方、一人一人にあった生徒との向き合い方を模索していただければ、きっといい方向に向かうと思われます。
生徒さんと先生方の健闘を祈ります。

レッスンについて 雑談・日常