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演奏家=作曲家の時代再び?!
 

日本のポップスにおいて、楽曲の自作自演は戦後から盛んに行われてきました。
対して、クラシックの演奏家・バンド系以外の演奏家においては、自ら作曲を行う人はほとんどいませんでした。

しかし、2010年代以降では、作曲をする演奏家が増加してきました。
なぜ、作曲をする演奏家が増えたのでしょうか?
詳しく考察してきます。


◆1 .コンクール社会の崩壊

一昔前は、著名なコンクールで入賞させてスターを創り上げる、といった業界構造がありました。
そのため、生活をするためにはコンクールに受賞するための練習のみ行い、他のことは一切必要ないという風潮でした。
しかし、現在はネット社会となり、事務所やマスコミの力が弱まりました。
そのため、スター演奏家を養うだけの金銭的余裕は無くなってきたのです。
その影響もあってか、昔に比べてアーテイストの物腰が柔らかくなった所感があります。
多くのアーテイストは(マネージャーがいるクラスでも)自身でSNSなどを使用した営業を行うようになりました。
つまり、演奏以外のスキルを多く必要とされるようになったのです。
作曲・アレンジが出来たほうが仕事として良い、または外注する予算が節約できるといった考えが浸透してきたのではないかと思います。


◆2. 動画配信の勃興

近年、動画配信活動により収入を得る音楽家が増えてきました。
動画配信活動で収入を得るためには、人の目を惹くようなコンテンツを作らなければなりません。
そのため、コンテンツ作成のために作編曲の技術が必要なケースが増えたため、自力で作編曲を行う演奏家が増えたのです。


◆3.楽譜浄書ソフトの普及

現在、出版されるほとんどの楽譜は、手書きではなくコンピューター=浄書ソフトを使って入力された楽譜です。
多くの浄書ソフトは、コンピューターに入力した音を再生することができます。

つまり、自分の書いた音を随時再生しながら作曲ができるようになったのです。
これまでは、楽譜上の音楽を頭の中で鳴らせる人以外は、実際に楽器で演奏しなければ譜面に正しい音が記されているかが分かりませんでした。
しかし、現在は浄書ソフトまたはDTMなどの打ち込みにより、高い読譜能力が無くても、そこそこ高いクオリティの作編曲が可能になりました。

低いクオリティの楽曲しかつくれなければ馬鹿にされることもありますが、一定の水準以上の楽曲を作成することができれば一目置かれるかと思います。
そのため、演奏家の作曲技術が大幅に飛躍し、演奏家の自作自演が増えました。


まとめ

技術革新によって芸術のレベルが飛躍することは、人類にとって非常に喜ばしい出来事であると言えます。
今後の音楽活動はより幅広いスキルが必要となり、一生涯を通した学びの継続が必須となるでしょう。
レッスングリッドは、講師の皆様も、生徒の皆様にも必要とされるサービスを提供していきたいと考えております。