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コロナ後のプロ・オーケストラについて
 

2021年のコロナ渦で、音楽業界には激震が走りました。
音楽家個人が、これまでの仕事のやり方から転換を図らざるを得ないくらい追い込まれています。
有名なプロ・オーケストラに入団したから安泰…かと思いきや、そういうわけにはいかないようです。
今回は、コロナ後のプロ・オーケストラについて考察していきたいと思います。


◆1. 合併・統廃合

かつての新星日響と東京フィルハーモニーの合併、最近では静岡交響楽団と浜松フィルハーモニーの合併がありました。
財政的な問題を抱えたオーケストラの統廃合が行われる可能性があります。

クラシック音楽の聴衆は多くが高齢者であるため、需要が右肩下がりなのが原因と言えます。
とは言っても、日本の若者がクラシック音楽を退避しているかと言えばそうではなく、諸外国に比べて好きな人は多いかと思います。
ただ、純粋に高齢化による人口減少が影響していると言えるでしょう。


◆2. エンタメへの傾斜

近年行われている、ゲーム音楽を生のオーケストラで再現するコンサートは、大変盛況です。
コンテンツの熱狂的なファンが会場に押しかけ、(本当に物理的に)涙を流して演奏を楽しんでいます。
ちなみに、この種類のコンサートはクラシック音楽のコンサートよりも聴衆のマナーが良い傾向にあります。

また、ゲーム音楽のコンサートはチケット単価も高く、グッズの副収入も確実に見込めます。
そのため、今後はクラシック音楽専門のオーケストラにおいても、演奏企画として増加するのは間違いないでしょう。


◆3. 若手のオーケストラ設立

演奏家は基本的に年を取ればとるほど、一部の天才を除くと落ち着いた演奏をする傾向があります。
そのため、血気盛んな若者が血気盛んな音楽づくりを求めて、自主的にオーケストラを立ち上げる傾向がなります。
一般的なプロオケのように、会社員としての特典(福利厚生)などはありませんが、彼らも年を取るので、その母体が新たな正規雇用のプロオーケストラへと発展していくかと思います。
そして、最終的には財政再建中の他団体を吸収合併することで、業界全体の新陳代謝が行われていきます。


◆4. オーナー・支援団体が交代する

基本的にオーケストラは、野球などのプロスポーツと同じく、お金を持っている企業がオーナーを担う傾向にあります。
筆者の予想ですが、今後のオーケストラの財政的な支援は、テレビ局や新聞社による出資からIT系企業などの出資に切り替わって行くかと思います。
その場合、より多くのサブカルチャーに根差したコンサートや、テクノロジーと関係したテーマのコンサートが増えていくのではないか予想されます。


◆5. まとめ

多少つっこみどころのある予想、考察になってしまったかもしれません。
しかし、今後の音楽界は、今までに予想できなかったような出来事が多く起こることは間違いありません。
レッスングリッドは、激動の時代の中、生き残っていく音楽家の生活を支える力になるべく、サービスの改善に務めていきます。