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ブログ・コラム

噂にきく、ショパン「別れの歌」難しい場所について

2021.12.26

ショパンの「別れの歌」、途中ですごい激しい音楽になるよね。
そういう声を、多く聞きます。

実際、「別れの歌」の中間部は、技術的には上級者向けであると言えます。
音大生以上でも、練習をしないで本番を迎えることは厳しいです。


◆練習曲と名乗るに相応しい、技巧的な山場

まず、左手の伴奏における跳躍、これが少し練習してスムーズにいかない場合は、
中間部の演奏を諦めた方が良いかもしれません。
どうしても諦めきれない場合、全ての音をスローモーションで弾くような、
泥臭い練習を行いましょう。
また、左腕の動きが軽やかになるように、手首が沈みすぎず、上がりすぎない適切なポジションを維持できているかチェックしましょう。

右手についてですが、ここは二重トリル(三度のトリルと六度のトリル)ができることが前提になるかと思います。

ここでいう「できる」という定義ですが、
①2つのトリルが一切ずれることなく、
かつ、
②ばらけることなく芯を捉えたタッチで演奏すること。

この2点を守った二重トリルができると、右手のコントロール力が大幅に増します。
その結果、中間部のクオリティが格段に上がります。

そんなのできん!と思った人は、
準備練習として、
ハノン
3度重音の50番
6度重音トリルの59番
に取り組むと良いでしょう。

なかなかしんどいですが、先ほど挙げた技術が無いと物理的に通すことだけでも難しいので、
一つ一つ課題をクリアしていきましょう。

◆いつ何時も軽やかに弾くこと

この曲は、ショパンの故郷ポーランドへの想いが込められています。
特に中間部では、燃えたぎるような激しい音使いで、故郷への愛が表現されています。

しかし、強い打鍵で重戦車のように演奏されることがあってはなりません。
ショパンは華奢な男性で、非常に体力がなかったと伝えられています。
ピアノの音も小さかったとのことです。

「別れの歌」中間部も、厚ぼったくならないように注意しましょう。

◆まとめ

上述したとおり、完成までに行うべき練習は多く、根気のいる楽曲といえます。
ひとりで完成まで仕上げることが厳しい場合、オンラインレッスンで講師によるコーチングをお願いすることができます。

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