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プロ演奏家の演奏可能な楽器数とは?
 

現在日本の音楽界では、多くのプロ音楽家が1つの専門楽器を極めるパターンが多いです。
本当は、たくさんの楽器が演奏出来たほうが、活躍する幅が広がるはずです。

では、なぜプロ演奏家の人前で演奏可能な楽器数は絞れれるようになったのでしょうか?
今回は、西洋から派生した音楽を中心に考察していきたいと思います。
(日本古来の音楽は、現在のバンド系含むジャンルと系譜が異なるので、割愛させていただきます)


◆バッハまでの時代

この時代で求められるプロ音楽家としての能力は、旋律楽器の演奏+チェンバロの即興演奏+作曲でした。
なかなか高度な事を要求すると思われますが、みんながみんなできるわけではありません。
貴族に仕えている下僕がBGMとして楽器を奏でている人も多かったかと思います。
もちろん、家事の片手間で行っているのでレベルは高いとは言えなかったようです。


◆ショパン・シューマン以後

このころになると、専攻楽器をしぼる演奏家(作曲家)が増えてきます。
即興演奏の習慣が廃れてきて、楽曲を楽譜通りに演奏することが求められるようになったため、1つの楽器に要する練習時間が増大したためです。
独奏楽器と鍵盤楽器を1つずつ専門にすることすら厳しくなりました。
少し前の時代、あのモーツアルトですら人前でヴァイオリンを演奏することを断念しています。(ヴィオラはたまに弾いていましたが・・・)


◆第二次世界大戦後

戦前に比べて、演奏家はコンクールによってキャリアアツプを図る比重が高まってきました。
専門の楽器を一つの楽器に絞り、作曲も行わずにコンクールのための練習に時間を割くことが一般的になりました。
コンクールでは完成度の極大化が求められるため、95点から100点に上げるような時間効率が低い練習が必須となるのです。
(楽器演奏は上手になればなるだけ、さらに上のレベルに上げるための時間はかかるようになります・・・)

したがって、キャリアに敗北した場合の代償は以前より大きくなったと言えるでしょう。


◆ジャズ・ポピュラー音楽

ポップス・ロックなどのポピュラー音楽では、さまざまな楽器を持ちかえるマルチミュージシャンが珍しくありません。
理由としては、クラシックのピアノ・ヴァイオリンのような極端な精度を要求するコンクール社会ではないため、
コストパフォーマンスのよい上達が可能なのです。

ジャズにおいては、サックス奏者が運指が似ているフルートを演奏するなど、合理的な運用が見受けられるようになります。


◆2020年以降

コロナ渦で演奏会が減少した一方で、動画配信が発展しました。
動画配信においては、複数の楽器が演奏出来たほうが有利になります。
保守的なクラシックにおいても、以前とは異なるキャリアを歩む人が増えてきました。
また、DTMが普及したこともあり、全ジャンルで作曲をする演奏家が急増しました。そして演奏家の作曲レベルも格段に上がりました。


◆まとめ

レッスングリッドでは、1人の先生がたくさんの楽器のコースを受け持つことが可能です。
いろんな楽器が演奏できる先生こそ、ご登録していただければ嬉しいです。お待ちしております。



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