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需要のある講師になるためには(後編)
 

前回は、需要のある講師になるための術として、
音楽レッスンにおける初心者を教えるメリット、接客の大切さを解説しました。
今回は、後編として、需要の多いレッスンとは何か、少ない需要をいかに増やしていくかについて、深堀していきたいと思います。


◆3. 専門によって需要が異なること、また需要が少なくても特色のあるブランディングによって需要は創出できること

音楽レッスンはサービス業ですので、レッスンそのものの需要があるかどうかが生徒さんの総数と比例します。
例えば歌の場合、クラシックの発声でオペラを歌えるようになりたいと希望される生徒さんよりも、
ポップスの発声でJポップを歌えるようになりたいと希望される生徒さんのほうが、
圧倒的に需要が高いかと思います。
ここでは、クラシックのオペラの芸術性の高さが世間の需要と結びついていないことが挙げられます。

しかし、声楽専門の指導者の方が卑屈になる必要はありません!
需要のある層に対して適切な営業、広告を行い、数多いる競合に打ち勝てば良いのです。
現在、リベラルアーツとしての芸術の役割が世の中で注目されています。
世界中で経営者・富裕層などが、
教養の欠如によってAIに負ける硬直化した判断しかできなくなる、
差し迫る未来への危機感から、
芸術を学ぶ必要性が見直されているのです。
そのため、以前よりも経営者・富裕層など間で芸術の価値は高まっています。

もともと、「カラオケを歌う経営者」よりも「オペラが歌える経営者」のほうが、より高いステータスを持ちます。
ただ、オペラを人前で歌うことができるレベルの愛好家の方が少なく、実態が把握できなかったのではないかと思われます。

また、彼等の御子息の習い事として、
芸術分野の音楽レッスンは、少子化にもかかわらず依然高い需要を持っています。

重要なことですが、富裕層向けビジネスは単価が高いです。
需要の少ない分野は、富裕層むけのブランディングを行うこと
音楽家として生き延びるために必須であると言えるでしょう。



◆4. 妥協する力

非常に残念な事ですが、
世間では楽器演奏において
本格的で伝統的に正しいメソッドは求められていません。


才能が中以下の生徒に対しては、とにかく長く続けてもらえるように毎回のレッスンを楽しいものにしていくことが最優先かと思います。
そのため、ある程度は指導において妥協しなければいけない場面に多く遭遇するかと思います。

ただし、才能も伸びしろもあるマジメな生徒さんに対しては、
将来のために盤石な基礎を叩きこんであげることも講師としての愛情としてアリかと思います。。。



◆ まとめ

正しい情報とは、目をそむけたくなる真実であったりします。

音楽的能力を高める努力をしても、思ったような成果が上がらないことも多いです。
成果が上がった場合でも、それが自身を幸せにするかどうかとは別であることは多いです。

とくに、人から認められたいと感じている人は、
仮に自身の所属しているコミュニティから承認された次は、世間全般からも承認されたいと感じるかもしれません。
しかし世間一般では、自身の高めてきた音楽のジャンルがあまり認知されていない可能性もあります。

なかなか、世知辛いです。
一ついえることは、世の中の需要は音楽への愛情から一歩引いたところから見ないと分からないことかと思います。
これからの時代は、より一層、
世の中需要に答えることと、好きなこと・得意なことを仕事にすることのバランスが求められるでしょう。

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