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社会人から音大に行く (前編)
 

近年、少子化で大学生は減少つづけています。
そのため、大学は生き残りをかけた戦いが繰り広げられています。
特に音楽大学は、不要不急の象徴ともいえる「音楽」を学習する高等教育機関であるため、生徒が集めにくくなっています。
そのため、大学として健全な経営をしていくのは至難の業です。

一部の音大では、留学生を増やして定員を増やす施策を行っております。
中国など、音大のレベルがヨーロッパよりも劣るアジア圏の国が対象になります。
ある私立音大では、1割以上が留学生が占めているとのことです。

一般大学では社会人大学生・大学院生の拡充を図っているところもあります。
しかし、音大ではあまり実績がでていないように思えます。


◆大人になってからプロの音楽家になる難しさについて

基本的に、音楽はスポーツと同じで早期教育で今後の伸びしろが決まります。
そのため、音楽大学に社会人入試で入学することができても、プロレベルの演奏能力を培うことが厳しいかと思います。


◆どんな人が社会人から音大に行くの?

実例が少ないため統計的な回答ができませんが、
いくつかパターンを上げていきます。

1.エリート
主にヴァイオリンやピアノ・声楽などのクラシック音楽に対する憧れから、趣味の延長として音楽大学に入学します。
成功した経営者、弁護士、または圧倒的なスキルをもつビジネスマンなど、努力や熱量の量が高い人が占めているかと思います。
卒業後は、副業として音楽活動を行う人が多いのではないかと思われます。

2.インテリ
学問の情熱が強いが演奏家になるほどの力量はない方が、社会人になって作曲や音楽理論など、座学に近い専門へ転向します。
成人後も後天的努力でプロレベルに達することが可能であるため、アカデミズムの世界で一旗揚げることに成功する方もいます。

3.音楽が諦めきれない人
金銭的な余裕が少なく、音楽のみならず学問に打ち込むことも厳しかったが、どうしても音楽家(主に演奏家)への夢を諦められず音大に進学する方もいます。
傾向として、西洋クラシック音楽以外の専門分野が多いです。
クラシックの場合、入学難易度がそこまで高くない2年程度のディプロマに挑戦する人もいるかと思います。
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いかがでしょうか。後編は、社会人から音大に失敗する例・成功する例について述べさせていただきたく存じます。
みなさまの進路選択、または指導における参考になれば幸いです。

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