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長く続けているけど、楽器がうまくならない問題
 

先生の方の多くが抱えている問題として、
「長く習っている生徒が上達しない問題」が挙げられます。

こんなに熱心に教えているのに、心が折れそう・・・・
教えるの得意なはずなんだけど、なんであの生徒さんだけは上達しないのだろう?

長く教えているからこそ、生徒に対する愛情もあります。
そのため、自己嫌悪になってしまう先生も少なくありません。

今回は、どのようにして「生徒が上達しない問題と向き合うかについて考察していきます。


◆1. 実は上手くなっている

多くの定期レッスンの場合、1か月に1~4回であることが多いです。
そのため、レッスン毎ごとにわかりやすい改善が見えるわけではありません。

しかし、年単位でみると上達していることが多いです。
年1・2回開催される発表会に参加すると、ほかの生徒・先生から「あの人上手になったよね・・」と指摘されることもあります。

樹木の生長のように、一朝一夕で上達はしないものであると認識すると良いでしょう。


◆2. 身体的なボトルネックがある

体の構造上、演奏に制約が出ている場合があります。

たとえば、指の第1関節がグラグラするピアノ学習者が「ラ・カンパネラ」を美しいタッチで演奏することは物理的に厳しいかもしれません。
その問題を解消するためには、指の第1関節がグラグラしなくなるよう鍛え上げることが必要でしょう。

しかし・・・・
どう頑張っても、指の第1関節がグラグラしたまま治らないことがあります。

その場合、潔くあきらめましょう!
鍛えても伸びない部分に見切りをつけ、伸びしろのある部分、得意な部分を伸ばしてあげることで、生徒が上達することと思われます。


◆3. 運動神経・反射神経・音感などに難がある

先ほどは身体的なボトルネックに触れましたが、感覚的な部分が楽器演奏に不向きな場合についても述べさせていただきます。

多くの場合、動作の統合が上手くいってないので、より一層要素分解をして練習をすると良いでしょう。

例えば、歌を歌うとき、音程とリズムの両方が正しくないと、完成度の高い演奏をすることは厳しいです。
音程とリズムの両方とも気を配ることは難しいですが、片方だけ注力することならばできる人は多いかと思われます。

まず、音程とリズムのどちらかを完璧な状態にして、覚えこみましょう。全く考えなくていい状態でもできるようしましょう。
それが達成した後で、もう片方の側面に意識を注力しましょう。

このように、音楽を構成する要素をばらばらに練習することで、不可能を可能にすることができるといえるでしょう。


◆4. 何を行っても、どうしても上手くならない場合

先生との相性など、精神的な問題も否めないかと思われます。
脳がアウトプットを拒絶している場合、どんなに良いセンスを持っていても、どんなに生徒がやる気があるように見えても、全く成長が出来ないのです。
まさに、八方塞がりといえるでしょう。


ここで重要なのは、先生・生徒ともに自分を追い詰めないことです。
音楽は人生を豊かにするものであることを、今一度思いだしましょう。
先生を変えたり、別の楽器を試したり、環境を変化させることが重要かと思います。


◆ まとめ

この問題は、生徒自身がプロかアマか、過去の音楽経験の有無など、さまざまな要素が絡み合った問題かと思います。

一つだけ言えることは、生徒にとって良い指導の為には、ある程度の根性や泥臭さが先生側にも必要であるということです。
長い目で生徒さんを育てていける先生こそ、人望が高く人格的にも優れた名教師であるとともに、並外れた忍耐力を有していることは言うまでもないでしょう。

先生方のご検討を祈ります!



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